美脚チェック

こんばんは。
突然ですが、皆さんは脚のキレイな人が好きですか?自分は好きです。

…という話ではありません(笑)
POGで盛り上がる時期ですので、個人的というか馬を見る上ではある程度普遍的なことだと思いますが、「馬の脚」について今日は書いてみようと思います。
競走馬として生きなければならないサラブレッドは、「無事にデビューして長く走り続ける」ことが求められることな過酷な生き物。しかし、450キロから500キロ近い体を細い4本の脚で支え、それでいて何十キロものスピードで走る動物ですから、脚に負担がかかるのはいうまでもありません。いくら良血で期待されている馬でも、デビューできなかったり、デビュー後直ぐに故障してしまっては、元も子もない。走り続けるためには健康的な脚でなければいけないのです。

4本ある脚の中でも、特に故障が多いのが前肢と呼ばれる前の2本。トモがスピードを生みだす源なら、前肢はそのスピードを支える土台と言っても良いでしょう。走ってる姿を想像していただくと分かると思いますが、襲歩(ギャロップ)では後肢で蹴りだした姿勢から前肢で着地するので、その負担を全て前肢で受け止めているという格好になります。だから、確りした前肢でないとその衝撃を受け止めきれず、結果故障してしまう、それが多くの故障が前肢で発生する原因です。

じゃあ「立派で太い脚なら故障しないのでは?」と思われるかもしれませんが、そうともいかず…ただ太ければ良いと言う問題でもありません。もちろん太い脚は健康なのでしょうが、健康な脚というのは太いだけでなく、様々な要素を元に考えられるみたいです。
以下に写真で取り上げながら解説していきます。

■蹄

 まず、赤い丸で囲った箇所をご覧ください。

ここはいわゆる「蹄」と呼ばれる所ですが、その一番後ろ、人間の脚でいうと「かかと」にあたる箇所です。馬も同じく「かかと」と呼ぶのですが、馬によっては写真のようにかかとが薄い場合があります。実際の馬を見ると数センチ程度の高さがあるのですが、健康的な馬に比べて、かかとが薄い馬は高さがありません。写真の馬だと、おそらく1センチあるか無いか…という所だと思います。

では、かかとに高さがないとどのような事になるのか。

「かかとに高さが無い=蹄が薄い」というのが見て分かると思いますが、蹄が薄いとそうでない馬より蹄が消耗しやすく、競走中で痛めることが多いです。デュランダルという名馬がいましたが、蹄の弱さに悩まされて思うようにレースを使えませんでした。また、蹄が薄いと思うように蹄鉄を打てないことがあります。ディープインパクトで有名になったエクイロックスという接着補修用のパテみたいのものもありますが、蹄が薄く鉄が打てない全ての馬にエクイロックスを着ければ良いかと言うとそうでもなく、そもそもその技術を扱える人に巡り合わないとということもありますので、鉄が打てないというのは競走馬において大きなマイナスとなります。

次に右の写真です。

繋ぎの短長・寝ているか立っているかによる馬場適性などは多くの方がご存じの通り。この写真は繋ぎと蹄の角度を写したものになります。

黄色い線は蹄低の真ん中から球節に向かって真っすぐ伸ばした線、赤い線は蹄先(蹄の先っぽ)から蹄壁(蹄の外側)をなぞって真っ直ぐ伸ばした線になります。

赤い線と黄色い線、この2本の線が平行でないのがお分かり頂けるでしょうか。このように、繋ぎに対して蹄の角度が内側に潜り込んでいるような状態の事を「破折」と言います。このような角度で蹄が付いていると、着地した時に体重を支えきれず前肢に負担が掛るので故障しやすいです。何となくイメージで想像がつくでしょうか。

■管と膝

 左の写真は脚全体を写したものになりますが、こちらも引かれた2本の線をご覧ください。

上の線は腕節(脚上部)から膝(脚の中間にあるボコっとした所)、下の線は膝から球節へ向かって引いています。

この2本の線を比べると、多くの健康的な馬は下の線、つまり膝から球節の方が短いのですが、この馬はちょっと短すぎるきらいがあります。さっきも言ったように、馬は全ての衝撃を前肢で受け止めるので、かなりの負担がここに掛るのですが、これだけ短いと遊びが無く、膝と球節の間にある「腱」と呼ばれる箇所への負担が大きくなります。これも馬が走ってる姿を想像してみると何となくお分かり頂けると思います。逆に、上の線と下の線、つまり膝を中心に上と下の間隔が同じくらい、もしくは長いようだとバランス悪く不安定な走りになって活躍が見込めない場合があります。

次に右の写真ですが、これは「湾膝」と呼ばれる膝の形をした馬を写したものになります。

腕節からまっすぐ地面に向かって線を下ろした時、後ろに球節があり、膝が「くの字」のように曲がっているのが分かるかと思います。こういう膝の馬は故障に繋がり易い…訳ではありません。むしろピンとまっすぐ脚が張った馬より健康である、という説もあるとか無いとか。逆に、というかこれは絶対危ないなというのが、最初に蹄で説明した左の写真のような形をした膝です。

青い線を見て頂くと「くの字」を逆にしたような形になっているのが分かるかと思います。これは「弓脚」と呼ばれるもので、着地動作の時に腱にかかる負担が大きく、故障の確率がかなり高いと言えるでしょう。個人的に、アグネスタキオン産駒に故障が多いのは、アグネスタキオン産駒は速い馬が多いというだけでなく、この弓脚の馬が多いからなのかなと思っています。写真を見ると危なっかしい脚してる仔が多いんですよね。。

ということで、ガラスの脚と言われるサラブレッドの脚。この他にも肘とか腱とか繋ぎとか…見るべき箇所は沢山あるのですが、そろそろ時間が迫ってきたので取り上げるのはこの辺りまでで。競馬場で走っているサラブレッドは人間と同じように色んな特徴があり、ロボットでは無く個性ある生き物なんだというのを理解していただけたら幸いです。ロジユニヴァースのように左右の膝の大きさが違っていてもダービー勝つ馬もいますし、何があるか分からんのですよ。


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美脚チェック」への10件のフィードバック

  1. でぃらんさん こんにちは。
    わたしも「美脚」好きです。えぇ。

    ・・はさておき、
    とても勉強になりました。
    ここ最近になって馬体にも興味がでて、
    フォトパとか見るようにしてるんですけど
    なんとなく「○○っぽいなぁ」とか
    まだまだ曖昧な感覚でしか捉える事が出来ないんですよね~。

    非常に分りやすい解説付きで参考になりました。
    ありがとうございます!

    またの機械に是非、他の部位もよろしくお願いっす!
    受講料は「ハーゲンダッツ」でいかがでしょう?

    • >ばんとさん

      参考になれば幸いです^^
      馬体は、その曖昧な感じで良いと思うんですよ。
      自分も最初は「○○っぽいなぁ」から始まって、次に「この箇所は云々」と。

      ハーゲンダッツ頂けるのなら頑張ります!w
      というのは冗談で、これからもボチボチやって行きますので、またご覧ください^^

  2. マルセリーナ・マイネイサベル

    この2頭が気になりだしました(笑)

    なんかホエールは父クロフネなんで3着くらいかなーと・・・

    • >spiritさん

      ホエールキャプチャ、たしかに血統だけ見ると不安なんですが、
      この時期ですし、そこまで気にすること無いのかなぁと^^;
      桜花賞が外回りになって、そこである程度走っていたらこの時期の牝馬同士の2400Mも大丈夫と考えています。

      イサベル、人気無さ過ぎですよね(笑)

  3. アンカツの位置取りには呆れました
    それとも調教師からの指示なのか・・・
    あの馬場であの位置取りでは勝負になりません
    マルセリーナは乗り替わりでしょうか・・・

    アンカツ引退してくれ・・・

    • >spiritさん

      たしかに、あの馬場であの位置取りでは勝負にならなかったと思います。。
      ただ、掛かるそぶりをみせていたので、そのまま出して行ったらどうなっていたか…
      それでも折り合わせるのが騎手の技量なのかもしれませんが、
      そのあたりの判断は、いち競馬ファンとしては難しいところです^^;

  4. 出遅れたホエールより後ろにいたのにはビックリしました・・・アンカツなんで・・・

    「追ってからがもう1つ伸びなかったですね。長い脚を全然使っていないし、それが距離が原因なのか、馬場なのか……もう1つ分からないですね」
     
    「一瞬サッと脚を使っただけ。ググッと最後まで伸び切った上で負けたんだったら納得もいくんだけど……」

    マルセリーナは3台母系父の遺伝です 
    自身の母系のリボーの遺伝馬なんで単なるマイラーではなく中距離もOKなハスですそれだけに積極的に乗って欲しかったです

  5. いままで本で読んでも、いまいち理解出来なかったのに、わかるようになった気がします!特に、繋ぎと蹄の角度の見方がいつも疑問に思ってたんですよ。蹄壁にそって線を伸ばして見ればいいんですねw ありがとうございました!

    • >アッキーさん

      破折は写真だけじゃ分かり辛いのもあるので、難しいです。
      明らかに違和感あるもののみ疑問に思うくらいが良いかもしれません^^;

      あと、こういう記事書いておきながらアレですが、破折の馬全てが走らない訳では無いですので、あしからず。
      馬体はあくまで全体として見て、そこからマイナス点を探して行った方が良いと思います。(自分への言い聞かせですw)

  6. ピンバック: 競走馬の馬体を評価する個人的指標のまとめ « ローランの歌

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