競走馬の馬体を評価する個人的指標のまとめ 腰篇

研究中なので多少誤りあるかと思いますが、競走馬の腰についてまとめてみます。

競走馬の腰


馬体の支え軸となる胸椎から伸びる腰椎は、しっかりと固定され胴の支柱して働かなければならない重要な箇所。ただここに何かしらの不安を抱えている馬は多く、いわゆる「腰フラ」「腰甘」などという言葉によってそれが表現されます。

腰フラとは


「腰フラ」は先天的(寄生虫など後天的な原因もあり)な馬体の異常で、正式名称は腰痿。主に頸椎の狭窄に起因するそうです。
腰フラだとクネクネと上下左右に動くように見えるのですが、脊髄が圧迫されていることで何かしらの障害が発生し、正常に歩けないということでしょう。

腰フラになると、頚椎のX線撮影をするのだが、極端な例だと右の写真のように、はっきりわかるほど狭窄している。
これなどは第3頚椎と第4頚椎が屈曲し、第4頚椎の頭部が椎腔へ突出し、脊髄が圧迫されているであろうことが想像できる。
脊髄が圧迫されると、脳から「肢を動かせ」という命令は伝達されるが、「今、肢が着きました」という信号がうまく帰ってこなくなる。
で、雲の上を歩くような歩様になったり、肢をひきずったり、逆に大げさに肢をあげて歩くようになる。

馬医者修行日記 頚椎症による腰痿より引用

腰甘とは



よく「腰が甘い」「腰がパンとしてない」という言葉で表現されますが、要は腰回りの骨や筋肉がよく発達していない状態のこと。トモ脚を確り動かすだけの土台(骨・筋肉)が無いからトモが流れ、後ろ脚でしっかり蹴り出すことが出来ない、という想像はし易いと思います。パドックなどで見ると重心が前に残ったように歩く馬がいますが、そういった馬は総じて腰が甘いと言えるでしょう。腰が甘い馬は見た目の通り後ろ脚が前に着いていかず、踏み込みも浅い。阪神や中山など急坂がありパワーのいる馬場では踏ん張りが利かず伸び切れない事が多いです。

腰フラと腰甘の見分け方


腰フラは”馬体の異常”なので、症状がひどい場合は競走馬としてデビューできないこともあります。一口馬主などされている方は馬の更新情報などで「腰痿の為うんぬん…」という残念な文章を見たことあるでしょうか。ただ、そこまで目立たなく症状として軽い場合は競走馬としてデビューしている(もちろんレントゲン撮影など行い、それほど競走に影響無いという判断の元だと思います)ことがほとんどでしょう。競走生活中の発症でも同じですね。
そこで見分け方なのですが、腰フラの場合は背中のラインから上下左右にクネクネし腰がフラフラしているので、歩いている馬を後ろから見ると分かりやすいです。横映像などでも馬によっては明らかに背のラインが左右上下に動くので分かるのですが、基本は実際の馬を後ろから背のラインを辿る様に見るのが良いかと。

腰甘とトモ流れの見分け方



これまたややこしい話なのですが、腰が甘く見えても実は腰はパンとしているという場合があります。それはトモが流れている場合です。トモが流れるというのは後肢を後ろに流すようにする歩き方のことで、後肢が流れるのはそれを支える腰がパンとしてないから、ではなく、トモの筋肉がまだ甘いということです。後肢を確り動かすだけの筋肉が足りないということですね。

しかし、トモを流すように歩く馬でも強い馬がいます。写真の馬ですね。
ウオッカは競走生活を通して、後肢をダランと流すようにパドックで歩いていました。ただそれはウオッカのトモが甘い、筋肉が付ききっていないからという訳ではなく「体が柔らすぎる」からなんです。腰の支点はしっかりしていて、そこからゴムのようにビヨーンと後肢を形成する筋肉が動く。もちろん関節も柔らかいんでしょう。こういう例外的な馬もいるんで、競馬ってわっかんないよーな、とボヤきたくなりますが、そこが相手が生き物である競馬の面白い所ですよね。

【参考リンク・図書】
My-Aiba.com 馬の見方 馬の見方・実践編 STEP14 腰を見る
馬医者修行日記 頚椎症による腰痿
サラブレッドの研究 

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中