隅田川POG2019 指名馬理由など

毎度おなじみ隅田川POGのドラフトが今年も行われましたので指名理由などをば。
▼ルール
関東馬限定
既走馬指名不可

 

1位 母アートプリンセス 父ハーツクライ
馬名:ミッキープリンス 国枝厩舎

関東馬限定だと国枝厩舎は人気なので早めの指名。とはいえPOG本などで露出が少なかった?かもしれないのでこの順位でなくともよかったかもしれない。写真見てないのでどんな馬か分かりません。入厩済。

 

2位 母コマーサント 父ダイワメジャー
馬名:ダイワリチャード 上原厩舎

そろそろダイワメジャーの後継種牡馬が欲しいと思ってセレクトセールで買われた(はず)、ダイワメジャー産駒の当たり年と言われている世代の当たり馬(のはず) 入厩済。

 

3位 母スピードリッパー 父ロードカナロア
馬名:エストロ 萩原厩舎

母が好きだったので指名。写真からはこれと言って特徴のない馬体に見えますが、アーモンドアイも立ち写真だと凄くいい馬という感じではないのでカナロア牝馬はこういう馬がいいのでは?という仮説。運動神経があれば。入厩済。

 

4位 母ハートフルデイズ 父ハービンジャー
馬名:インテリジェンス 菊沢厩舎

スイートピーS勝ったジェラシーの全妹なので…と思っていたのですが、良く見たらジェラシーは母グローリアスデイズ(ハートフルデイズの母)でした。

 

5位 母ライラプス 父エピファネイア
馬名:シアンフィデール 田村厩舎

エピファネイアは何となくダート馬が多そうな予感がしたので、晩年ダートを走っていたライラプスとの仔を指名。入厩済。

 

6位 母ジェダイト 父タートルボウル
馬名:ユークレース 菊沢厩舎

母ジェダイトのラストクロップ。菊沢厩舎は王道サンデーよりマイナー種牡馬の方が活躍馬が多い気がしたのでタートルボウルがむしろいい。ゲート試験合格済。

 

7位 母エリドゥバビロン 競合ハズレ
→母チューニー 父キングカメハメハ
馬名:トロワシャルム 鹿戸厩舎

ここまで指名したスピードリッパー、ライラプス、ジェダイトと「牝馬クラシック路線には乗ったけど一流ではなかった」馬だったのでその流れでチューニーの仔を指名。セレクト上場時の写真を見る限り、芝向きではありそうですが脚が早いかは不明。入厩済。

 

8位 母ウィラビーオーサム 父ハーツクライ
馬名:シンプルゲーム 黒岩厩舎

母ウィラビーオーサムは米G1を制したミスプロ系でいかにもディープつけるために連れてきましたという顔をしている繁殖。兄オーサムミッション(父ディープインパクト)はクラブ募集馬も本馬は吉田和美氏名義。そう考えると何か瑕疵があったと見るべきか…。いや、無駄なことは考えなくても良い。だって名前がシンプルゲームですから。入厩済。

 

▼まとめ
今年はシンプルに「ノーザンファーム生産(天栄育成)かつ入厩済(ゲート試験合格済)」というフィルターでチョイスしていき、社台ファーム生産馬で塩を振って味を整えたというリストからのラインナップになりました。ダービールールなのにディープインパクト産駒がおらずなめた指名馬感満載ですが、関東の大物は既に6月の府中でデビューしてしまっていた気がしたので、見えている所で確実に出塁していくというスタイルで目指せ5000ポイントくらいということで。

大切なことは全部、JRAの経営基本方針に書いてあった

今週末行われる国際招待レースのジャパンカップ。
国際レースとは名ばかりで、近年は海外から一流クラスの出走、頭数も揃わず賞金だけが高額となったレース、という寂しいG1競走になってしまっています。

ただこれは、「他国で開催されてる国際競走との開催時期バッティング」や「日本馬のレベルアップ」などの理由もあり、時代と共に国際レースが名ばかりとなものとなってしまっていったのは仕方ないこと。特に「日本馬のレベルアップ」に関しては、ジャパンカップが創設された理由のひとつ「海外に通用する馬づくり」における番組改革の結果だと思うので、強い日本馬のホームにまでわざわざ出向いて走らせたくないよ~という海外陣営の心の叫びが少ない出走頭数に表れているのだろうと勝手な解釈です。むしろ歓迎すべきことでもありますよね。

馬が強くなると競馬の質もレベルアップするのは言うまでもありません。手前の競馬学校だけでは十分に騎手が育たないので、地方競馬で成績を残している一流騎手に免許を与え、それでも足りなくなったら海外で成績を残している騎手へ免許を付与。
馬の質に見合った騎手を配することでコンテンツとしての質を高めていき、観客へより魅力的な競馬を見せようと努力してきたのが今日の競馬なんでしょう。

日本の競馬はおおよそ馬券の売り上げで成り立っており、競馬が馬券=ギャンブルとして成り立つにはギャンブルとして魅力的でなければなりませんから、賭け事としてどうやったらより多くの人を惹き付けられるか(=売上)、魅力的なものであるかを追求していくべきで、JRAが企業として、ビジネスとして試行錯誤してきた道が今日に続いているのだと思います。

【JRA】条件付きで3連続9着以下への出走制限 2019年度競馬番組等について発表 | 競馬ニュース – netkeiba.com http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=147012

このニュースにも「より能力の拮抗した馬による競走を提供する等の観点から」とある通り、JRAは今後もお客様に魅力的な賭け事を提供するために様々な改革や取り組みを推進してくれることでしょう。ああなんと素晴らしい企業なのでしょうか! 余りにも素晴らしいので久しぶりにJRAのホームページを見、企業情報のページから経営方針を確認してみると「私たちは、お客様を第一に、皆様にご満足いただけるよう取り組んでいきます。」と書いてありました。一昔前に某馬主さんが言い放ったとされる言葉を借りると「馬はええ、お客様はどうなってるんじゃ!!」という感じでしょうか。多分違いますね。

少し話が反れそうになったので戻しますが、JRAは競馬をギャンブルビジネスとして成熟させていきたいと考えているのではないかというのをここ数年思うようになりました。自分が競馬を見始めた頃‐ちょうどディープインパクトがはしっていた頃‐から数年はそんな意識など全くせずに競馬を見ていたので、明確に何かが契機となったのかは分かりません。そもそもなぜ競馬が存在していたのかを知っていたわけでも無いので、そのように考えるようになった理由もわかりません。ただ、近年そして今日の施策からそれはもう明らかですね。ビジネスとして合理性を求めるからには、相反する非合理的なものはどうしても排除されてゆく運命にあると思ってます。かの国で行われている「競馬」も、JRAが主催者として行われている「競馬」もどちらも同じ「競馬」ですが、競馬が行われている前提を、われわれお客様はまず理解した方がよいのではないかなあと。

もし、JRAが開催する競馬に「文化」を求めているのならば、暫くは無駄なことなんだと思います。だってさっきの経営方針に「そして未来へ 私たちは、歴史と伝統のある競馬の発展に努め、国際的なスポーツエンターテインメントとしての競馬を皆様とともに創造していきます。」と書いてありますから。そういった競馬の文化的な発展は「未来に」やるよん、今はビジネスだよん、と。いつからこの経営方針なのかは知りませんけどね。

なんでこんなこと書いているかと言うと、この頃各所で『ものがたり』が重要視されるようなことが多いみたいな記事とか見たり話しを聞いたりすることが多いので、特にレジャー産業である競馬も例外に漏れず、なのかなあとか思ったりしていたのですが、なんだか物語的な要素が置いてけぼりになっている気がしたので。そもそも「ギャンブルビジネスの競馬における物語とは」という話なんですが、そろそろ時間無いので今日はここまでにしておきます。

なぜ6月の新馬戦で素質馬がデビューするのか

ケイアイノーテックがNHKマイルカップを優勝しました。
本馬にはこれまで福永騎手や川田騎手、戸崎騎手などの一流騎手が乗っていたのにもかかわらず、NHKマイルカップではお世辞にも一流騎手とはいえない藤岡騎手へ乗り替わり。この馬への期待はその程度なのかとレースでは全く期待しておりませんでした…(失礼)
これで中央のG1勝ちジョッキーの仲間入りを果たし、藤岡騎手も一流騎手の仲間入りですね。

ちなみに、ケイアイノーテックは6月の新馬戦(阪神芝1600m)でデビューしていた馬でした。
個人的に某所のPOGで指名しているのですが、指名した理由は「6月の新馬戦でデビューしている(さらに言うとドラフト時期の都合上、本馬が既に新馬戦を勝利したことが分かっていた)」というものだけでした。イスラボニータやレッドリヴェールなど6月に行われた芝1600m以上の新馬戦で見どころのあるレースをしていた馬は2歳戦の早い時期だけ活躍する所謂早熟馬ではなく、春までいいレース見せてくれる馬が多い気がするなあと。ただ、その時はなんとなく「6月にデビューしている馬は後々クラシック戦線で活躍することが多い気がする」とぼんやりと思っていただけなので、ダービーの翌週から新馬戦が行われるようになってから6年が経ち今年で7年目になりますが、過去に6月の東京・阪神芝1600mもしくは芝1800mの新馬戦に出走していた馬でその後3歳春のクラシック期間における重賞やG1で活躍した馬はどれほどいたのか、あらためて調べてみました。
※手集計なので漏れあるかもしれません。

▼総出走頭数…その年の該当月に行われた東京・阪神(10月は京都)開催における芝1600m以上の新馬戦に出走した馬の総頭数
▼主な活躍馬…その年の春クラシック路線における重賞3着以上の実績馬
▼活躍馬率…主な活躍馬÷総出走頭数

2012年
総出走頭数:53頭
主な活躍馬:マイネルホウオウ、ザラストロ
活躍馬率:3.7%

2013年
送出走頭数:84頭
主な活躍馬:イスラボニータ、レッドリヴェール、マイネルフロスト、リラヴァティ(新馬戦2着)
活躍馬率:4.8%

2014年
総出走頭数:108頭
主な活躍馬:ブライトエンブレム、アヴニールマルシェ
活躍馬率:1.9%

2015年
総出走頭数:102頭
主な活躍馬:ロードクエスト、メジャーエンブレム、ビービーバーレル(新馬戦2着)、ブレイブスマッシュ(新馬戦2着)、ウインファビラス(新馬戦3着)
活躍馬率:4.9%

2016年
総出走頭数:117頭
主な活躍馬:ウインブライト(新馬戦6着)
活躍馬率:0.9%

2017年
総出走頭数:102頭
主な活躍馬:ダノンプレミアム、ケイアイノーテック、ステルヴィオ
活躍馬率:2.9%

こうやって見ると、出走頭数の割に活躍馬の数が少ない気がしますね…。
では、比較として素質馬が多くデビューしていそうな秋の10月東京・京都開催はどうでしょうか。こちらも気になったので調べてみました。※こちらも手集計なので漏れあるかもしれません。

2012年
総出走頭数:156頭
主な活躍馬:キズナ、エピファネイア、レッドセシリア、ヒラボクディープ
活躍馬率:2.5%

2013年
総出走頭数:153頭
主な活躍馬:ヌーヴォレコルト(新馬戦4着)、トーセンスターダム
活躍馬率:1.3%

2014年
総出走頭数:179頭
主な活躍馬:ドゥラメンテ(新馬戦2着)、サトノクラウン、ベルーフ、キャットコイン
活躍馬率:2.2%

2015年
総出走頭数:147頭
主な活躍馬:マカヒキ、シンハライト、マウントロブソン(新馬戦2着)
活躍馬率:2.0%

2016年
総出走頭数:200頭
主な活躍馬:レイデオロ、アルアイン、ベストアプローチ
活躍馬率:1.5%

2017年
総出走頭数:195頭
主な活躍馬:エポカドーロ、カツジ、グレイル、リリーノーブル、レッドヴェイロン
活躍馬率:2.5%

調べてみてびっくりしました。過去6年のダービー馬6頭中4頭が10月に東京・京都で行われた新馬戦でデビューしていたのですね。やっぱり素質馬は秋の東京・京都開催デビューですわ!6月の新馬戦なんていらなかったんや!

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さて、のちのダービー馬が10月にデビューしていることが多いということは分かりました。でも、POGはダービーを勝つ馬を当てるだけのゲームではありません。皐月賞や桜花賞、G1を勝たなくとも重賞馬を複数頭指名し総合的にポイント稼ぎ少しでも順位を上げられてば良いわけです。そんなPOG的な視点ではどうでしょうか。

秋の東京・京都開催デビューを見据えている馬は、POG本などでは「秋デビュー予定」と紹介されていることが多いです。しかしながら、その時点で入厩していたり、早い時計で調教を進めているという馬は稀なはず。つまり、本当に秋にデビューするのかどうか、競走馬として無事にデビューできる状態まで進められているのか明確ではない。もしかしたら何か脚元に不安があって調教のペースが上がってこないのかもしれませんし、内面的に弱い所があってデビュー予定を延ばさざるを得ないのかもしれません。そういったネガティブな情報が表立って出てこないのがこの業界の悪い所でもあります。それらを含めて「秋デビュー予定」と言われている可能性を考慮すべきでしょう。

対照的なのが6月の新馬戦でデビューを迎えようとしている馬たち。順調に調教を進められているから6月に競馬場で走ることが出来るのであり、6月にデビューができるということが心身ともに健康であるという証明。実はこれが競走馬の資質としてかなり重要なのは言うまでもないですよね。体が確りしていないことには調教が積めないですし、レースを繰り返し使うことも儘成りません。逆説的ですが、6月にデビューしてゴールまで確り走り切れる(そしてある程度の結果を残せる)ということは素晴らしい資質の一つなのだと思います。

加えて動きが見えている早期デビュー馬たちには、秋デビュー予定とされている馬たちと比べ、より鮮度の高い情報がその馬たちに向けられていることが多いです。

まず調教時計。主に坂路時計にはなりますが、デビュー前の2歳馬がどのような時計を出しているかはtargetなどのツールで把握することが可能です。時計だけでもその馬の能力水準がある程度は把握できますよね。入厩しているもののなかなか時計が詰まってこない馬などはそれだけでPOGの指名リストからオミットしてもいいかもしれませんね。

次に調教映像。近年はJRAレーシングビュワーがデビュー前2歳馬の調教映像を多く提供してくれています。昔は新馬戦前の数頭だけだったのが、今はデビュー数週間前から何頭もの映像を見ることが出来ます。これを活用しない手はありません。自分もPOG馬を検討する期間だけレーシングビュワーを契約しますよ。けっしてJRAの回し者ではありません。1か月しか契約しませんからね!
調教映像と言っても馬の見方よくわからないし~という方。実はよく分からない方こそ、デビュー前の新馬調教を見ていただきたいです。たとえば陸上短距離100mのオリンピック決勝。これを走ってる選手たちってみんな素晴らしいフォームで走るじゃないですか。ここで走っている選手たちの微細な違い良し悪しなんて全く分からないですよね。

そのオリンピック決勝、いや予選でもいいです。そこに運動神経悪い芸人でおなじみのフルーツポンチ村上みたいな走り方をする選手がいたらどうでしょうか?陸上に詳しくない人でも明らかにその違いは分かると思います。それが新馬戦の追い切り映像なのです。つまり、ある程度の能力水準を持っている馬と、将来勝ち上がりも厳しいであろう馬の違いは走り方・フォームを見れば明らかに違うということです。同じような時計でもゆったりとスムーズに走れている馬とドタバタとしていたり、フォームはまともだけどまったく速力感が無い馬などこの時期の追い切り映像はPOG情報の宝庫です。G1前の追い切り映像なんて見てもみんなG1に出走できるレベルまで勝ち上がってきた馬たちなのですからそりゃ素晴らしいに決まっています。フルポン村上を見たいなら新馬戦の調教映像です。それがレーシングビュワーなら1か月なんと500円……しつこいですね。

あとは取材の情報でしょうか。POG本に掲載されているのはたいてい牧場関係者のコメントですが、POG本を毎年復習されている方はお分かりの通り、牧場関係者のコメントほどアテにならないものはありません。と言っても、牧場の方々が嘘を言っているわけでもありません。牧場あるいは外厩からトレセンに入って環境が変わりよりハードなトレーニングが積まれていく過程の方が、より競馬場で走る姿の近い形に変わっているはずですから「情報の確度が高い」という話ですね。最近はネット系の競馬メディアやブログ、一口クラブで会員向けに情報がクローズドになっていないサイトなどから手軽に2歳馬の情報が手に入ります。活かさない手はないでしょう。

これらの情報等をうまく活用することで活躍馬率を高めることが10月より容易いのが6月にデビューを予定している馬たちということです。

先のデータで2017年の活躍馬率は6月デビューが2.9%、10月デビューが2.5%と大差無い数値でしたが、調教データや映像、取材の情報などでその割合を高めることが可能ですよね。例えば6月デビュー予定100頭いるとして、期間中ほぼ2勝馬が出ないミ〇ファームの馬をリストから外し、調教時計で2週連続終い13.8(数字はあくまで一例です)切っていない馬を外し、情報を活用することで、活躍馬率を何倍にも高めることができるのです。10月デビュー予定の馬ではこの作業が不可能ですから、勝ち上がりが厳しいような馬を選択してしまう可能性を下げ、ヒットの確率を上げることができるのが6月デビュー予定馬という訳ですね。最初からホームランを狙うのではなく、ヒットの延長線上がホームランなんだと有名野球選手も言っておられます。

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このようなことを、最強のPOG青本などに寄稿しているPOG鑑定士こと北村生氏から学びました。18年度版の青本にも記事を書かれているようですから、まだ青本を手に取られていない方は是非。自分はまだ読んでないので、これから書店で立ち読みしようかと思っています。