メモのようなただの雑記です

第36回ジャパンカップはキタサンブラックが勝ちました。
既にG1を2勝。着外になったのがダービーのみという堅実な戦績ながら1番人気になったのは前走の京都大賞典が初という中々珍しい馬で、今回も1番人気でしたが単勝オッズが3.8倍と比較的オッズ付いてたなあとレース後に思ったのは自分だけでしょうか。

そんなことを言っておきながら、馬券では「ジャパンカップを逃げ切るのは無理」という思い込み(タップダンスシチーの記憶が脳内から削除されていたようです)から、いまの馬場を見方に付けられるようなふんわりとした脚を使える馬を買おうとディーマジェスティかサウンズオブアースを本命に据えるつもりでパドックを見、前者に若干の違和感をおぼえたのでサウンズオブアースの単勝をメインに購入してみたのですが、結果はご存知の通り。これでサウンズオブアースはG1の2着が3回。いまだに勝ち鞍はなみずき賞(500万)という中々面白い成績の持ち主。今回がチャンスなのにも関わらず人気が落ちていてウシシと思っていたのですがねえ、相手が一枚上だったようです。

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家に帰って来てふと、キタサンブラックがブラックタイド産駒で逃げ馬として大レースで活躍しているのは何かのアンチテーゼではないかと思いました。
主流血統の変化か競走馬の進化かスローの上がり勝負のような瞬発力が問われやすい競馬になりつつあります。その流れを支えてるというか率いてるのが近代日本競馬の結晶こと三冠馬ディープインパクトじゃないですか。その兄で主な勝ち鞍スプリングステークスのブラックタイドの産駒キタサンブラックが彼らの持ち味を封じる様な競馬でレースを勝って征く。それもディープインパクトの背中を知っている男が…というのは少し大仰ですねw

土曜日に競馬予想TVという番組で血統予想家の亀谷氏が「今年の府中秋開催は馬場が重たい!ハービンジャー馬場だ!」と言っており、確かに今開催はそういう馬がよく来てるよなあ~とロクに数字も取らずただの印象でその意見に同意していた(もちろん亀谷氏は産駒別の着順数と回収率をフリップにまとめておられました)のですが、その根拠として亀谷氏は、地面に空気を含ませる穴あけマシンを導入し、馬場改良を進めてきたことによってかなり地盤が根本から柔らかくなっているからではないかということを述べられておりました。今年は冷夏ということで例年より芝の生育が悪かったのではないかという意見も出ていましたが、先に出ていた「馬場改良」の成果?だとするならば今後もこういった馬場で競馬が開催されてる機会が増えてゆくのではないかと。安全で公正な馬場造りを目指して今のような馬場を作り出したのですからね。もちろんそれは今後も競馬が続く限り求められ続けられるでしょうから、ポリトラックこそ安全で公正である!みたいな将来になっている可能性もありますが。

さておきそうなるとキタサンブラックのような馬であったり、ディープインパクト産駒ではない、そういった特徴を備えた馬が将来は…といったことにふけてこのボログに残しているのですが…そんな将来のことを考えても仕方ありませんね(笑) その時になれば考えればいいことですからね。

ただ、数分後のレース結果を考える競馬(馬券)予想や主に来年のダービー馬を予想するPOG、一口馬主もそうですかね、これらいずれも未来予想であることには間違いありません。何がただしいのか何が間違っているのか、明確な答えが用意されておらず時代と共に変遷していく。競馬に限らず、ですかね。ただの偶然と片付けずに現実を直視し観察と推論を回し続けていって物事の本質をとらえようとする。競馬はその性質上それがより試されるから面白いと思うのです。

まあ、第”36”回ジャパンカップだし先日のプロ野球ニュースに元ロッテの”サブロー”選手が出てたし、やっぱサイン馬券が最強なんじゃね?と思っているのでこれまで書いたことはどうでもいいのですが。

競走馬の馬体を評価する個人的指標のまとめ 肩篇

天高く馬肥ゆる秋。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

実はこの「天高く馬肥ゆる秋」という故事、空がスッキリと遠く高く見える秋は収穫の時期で馬も太りますわな~という意味だけではなく、「成長して遊牧民族の弓部隊が強くなるよ」という記述がセットになったもので、天が高く見える秋は、馬が強くなった遊牧民族が攻めてくるから気を付けようという警戒を意味した言葉なのだそうです。

冬に極寒となるモンゴルの地で過ごしている遊牧民の馬たちは、気温が下がると食料となる草が不足し痩せこけてしまいます。それが春になり夏を迎えると青々と茂った草をたくさん食べることができ、そこから力を取り戻し体が大きくなった馬に乗った遊牧民が秋になったら中国に攻めてくるんですね。

そう考えると、外厩全盛の現代日本競馬。多くの馬がいわゆる「夏休み」を関東あるいは関西近郊の外厩施設で過ごすことが多いようですが、「天高く馬肥ゆる秋」となるためにはやはり雄大な放牧地で青草を食べ自然の力を蓄えた方が…と思ったのですが、栄養満点の青草を食べなくとも科学的に研究された栄養価が高くバランスの摂れたものが与えられているでしょうし確りとトレーニングもされていて、最近はもっぱら「外厩帰り」の馬が勝ちまくってる時代ですから、天高く馬肥ゆる秋は外厩帰りで強くなった馬に(馬券的に)より気を付けようということでしょうかね。

肩について


さて、話がだいぶそれましたが、今日は肩についてです。
春活躍したディーマジェスティやマリアライト、そして春の天皇賞は惨敗したものの復帰戦をキッチリと制したゴールドアクターを、「走り方がイイなあ~」と思ってじっくり見てたんですが、共通点として頭が(決して低すぎるということは無く)しっかり下がり膝が前に出て前肢と頭の動作リズムがほぼ一定なんですよね。
なので、走りにおける肩の役割はある程度理解していたつもりですが、今一度見つめ直してみることにしました。

肩甲骨を中心とした前肢の動き


ここで前肢の動きについて考えてみます。
馬が前肢を動かそうとするときは肢のみを動かしているのではなく、動作の始動は肩から始まります。その一連の動作をまとめてみました。
(走る馬 ハイスピードカメラより)
肩甲骨

前肢は肩甲骨を中心に動作が行われますが、その動きに欠かせないのが付近の筋肉や関節というのは上記図をご覧いただければ明らかです。前肢の可動域が確保されてスムーズに行えるから、無駄な動作が生じたり動作が限られるということが無いんですね。

スムーズな動きこそ速さに繋がる


先ほどの動作を意識してディーマジェスティなどの走りを見てみてください。肩の動きがなめらかで前肢の動作がスムーズに見えます。この動きを支えるには強靭な筋肉があるからこそだと思われがちですが、決してその筋肉は肥大し硬直したものではありません。その馬の骨格や体型に応じて”適切な”筋肉が付いているだけです。動作を支えるのに最低限の筋肉量が備わっていないのはもちろんダメですが、過剰にありすぎても滑らかさを阻害してしまうんですね。

つり合いを考える


馬体解説でよく言われる、「肩が寝ている馬は長距離向き」「肩が立っている馬は短距離向き」というもの。
これは先ほどの図で考えたらお分かりいただけるでしょう。ただ、考える必要があるのはそれだけでなく骨格や後躯つまりトモとのバランスも大事ではないかということです。例えば胴が詰まってトモの筋肉が大きく関節は硬い短距離馬のような体型をしているのに肩が寝ていて関節が柔軟で前肢の可動域が広い(広く見える)馬。これでは、トモは「速い動きをしたい!!」と言っているのに対し前肢は「ゆっくり動きたい!」と言っていてケンカになってしまいます。つまり、馬体のつり合いが取れていないという状態で前後アンバランス。前後躯の連動が上手くいかなそうですよね。逆も然りで肩(前躯)は立派なのにトモが緩慢な馬。前躯ばかりを使って走ってしまい前後筋肉のバランスが悪くなるだけでなく、より前肢に負担が掛かってしまいそうです。

先ほど名前を挙げた馬たちも、肩の造りが素晴らしいというのはもちろんのこと、全体を通して見た時に肩と胴回りやトモ、クビの長さや頭部などのバランス・均整が取れていて素晴らしいと考えるべきで、だから無駄のない効率的な走りが出来てるんだなあと。

馬場改良などや競走馬の進歩で決着時計が速くなりつつある今の競馬では、どうしたら速く動けるかではなく、どうしたら効率よく動ける(走れる)かがゴールへの近道なんじゃないかと思うことが多いです。

【このシリーズの以前の記事はこちら】
競走馬の馬体を評価する個人的指標のまとめ 頸篇
競走馬の馬体を評価する個人的指標のまとめ 背中篇
競走馬の馬体を評価する個人的指標のまとめ 筋肉篇
競走馬の馬体を評価する個人的指標のまとめ 飛節篇

レッドファルクスがスプリンターズステークスを制しました!

東京サラブレッドクラブのHPによるとファルクスという名は鎌の意味を持つ”両手剣”から来ているそうで、芝とダート両方のオープンレースを制したレッドファルクスには相応しい名前じゃあないですか。
そういえば今年は「二刀流」がキーワードになりそうですよねというのは後の祭りなのですが、過去にスプリンターズSを制し同じように名前が剣に由来する馬がいたのはご存知でしょうか。そうデュランダルですね。

当時高校生で競馬の知識はダビスタかじり、その延長で競馬も見始めてはいましたが、3時からの競馬中継、特にG1などの大きいレースをぼんやりと眺めるように見る程度でした。
2003年のスプリンターズS。この日もいつものようにぼんやりと見ていると、早めに抜け出した1番人気ビリーヴ安藤勝己を後方から4角大外、ありえないような位置から飛んできてビリーヴを捉えた馬が…!!

先ほど言ったように当時は競馬をぼんやりと見ている程度でしたから、ニューイヤーSでオープン勝ちしていたことや前哨戦のセントウルSでデュランダルが3着に来ていた事も知りませんでした。今のようにネットで過去の成績を簡単に振り返ることも出来ない時代です。(出来ていたのかもしれませんがウチにはまだPCがありませんでした) ただただ、1番人気のビリーヴが、デュランダルというとんでもない追い込み馬に差された。しかも短距離!しかも直線の短い中山コースで!何なんだこの馬は…!!と、競馬初心者にとってこれ程までに分かりやすく鮮烈なレースはありませんでしたよ。

それからデュランダルという馬に惹かれ、名前を由来を調べたところ中世フランスの叙事詩「ローランの歌」に登場する英雄が持っていた剣という、これまたレースっぷりと合わせて分かりやすいもので益々惹かれ、その剣のように切れ味鋭い走りを楽しみにしていたのですが、もともと蹄が悪くあまりレース数を使えず、そののちは毎レースぶっつけでG1に出走してくることしかありませんでした。デュランダルの鋭い刃は諸刃の剣だったというのもこの馬を語るに欠かせないエピソードですね。

さて、レッドファルクスの話に戻りますと、同馬は失礼ながらデュランダルのような切れ味鋭い…というよりかは、デムーロ騎手が言うようにズブいけど四肢を一生懸命に回し続けファイトしながら伸びてくる差し脚が魅力です。また、叩き上げの戦績が示す通り、デビューから決して順風満帆だったという訳ではありません。特にトモが弱く、レースを使うと痛みが出やすい。それを陣営が丁寧に解しながらここまで鍛えられて磨き上げられてきた馬がレッドファルクスなのです。

そんなレッドファルクスの馬券を買えていたかと言うと…
まだまだ体に弱い所があってG1レベルでは足りないのではないか、デムーロが乗ってるからと言って3番人気は流石に人気し過ぎではないかと戦前は思っていて、短距離と言えばやはりビッグアーサーやシュウジのように筋骨隆々なタイプが強いのではないかという考えがあり、レッドファルクスを買おうという発想は全く有りませんでした。

今年のスプリンターズSを制した馬が剣の名を持つ差し馬だと分かったとき、十数年前にデュランダルのレースを見た頃の事を思い出しました。

ビッグアーサーが持ち味を活かさなかった。
馬場にしてはペースが遅い。
芝が変わって求められるモノ(適性)が変わった。

なんてレースを振り返る知識ばかりだけが無駄に増えてしまい、勝ち馬を称えその走りに興味を持つことで競馬に夢中になっていった頃を懐かしく思いました。今持ってる知識でレッドファルクスという剣が秘めた力が理解できないだけなのかもしれないのに。